2015.12 経営コンサル事務所ニュース


事業経営の原則は『うどん屋』にありA


『饂飩(うどん)』・・・小麦と水と塩のたった3つの原料で作られた白い麺。侮るなかれ、そこに「事業経営の原則」が見えてくる。


(第2話) 現金商売である

 うどん屋は現金商売です。手元にあるお金で小麦等の原料を仕入れ、うどん(商品)をつくって売って、お金が入ってきます。掛け売りでなく、現金取引なので、「資金ショートの心配がない」また「売掛金を回収する必要もない」 さらに、セルフの店ではうどんを食べる前にお金を払う「前払方式」です。
 うどん屋は現金商売なので、お金の流れが見え、いま資金がどのような状況なのかが分かりやすい

 通常、売上げが増えると手形取引や掛売りといった売上債権も増えてきます。また商品を仕入れたり、作ったりしていると、在庫も増えてきます。その結果、売上は増えたが、お金が減って足らなってしまう。いわゆる「勘定合って銭足らず 」になります。事業の成長段階で資金不足が発生する主な要因は、@売上債権の増加、A在庫資金の増大、A設備投資による資金の固定化、の3点です。

 <事業経営の原則2>
『資金繰り表などでお金の流れをしっかりと把握すること。そして、すぐに現金化(回収)できないか、あるいは前受けでお金をもらえないか、と考えること。』

 事業規模が大きくなってくると、現金だけで取引をすることが難しくなり、掛け取引が増えてきます。また業種によっては、業界の商習慣でどうしても掛け取引が必要な場合もあります。掛け取引が増えてくると、実際の取引とお金の動きの違いが大きくなります。そうなると、お金の動きがわからなくなるので、その流れをしっかり把握することが大切になります。入ってくるお金と、出ていくお金をしっかり管理することです。それができると、商売の原点である『入るを量りて、出ずるを制す』に基づいた経営をすることができます。

 会社は赤字になったからつぶれるわけでありません。儲かっていてもお金が足らなくなると倒産します。いわゆる「黒字倒産」です。利益をあげて儲けること(損益)と、お金を稼ぐこと(収支)は、似ているようで違う。
 資金繰りはボクシングの試合と似ています。途中までいくら良い試合(収益)をしていても、最終ラウンドにカウンターパンチを食らって倒れる(資金ショートする)と、全てが終わって(倒産して)しまう。
 人は資金がなくなっても死にはしませんが、会社は資金がなくなれば死んでしまいます。

 皆さんの会社では、商売の原点である『入るを量りて、出ずるを制す』の経営ができているでしょうか? 改めて今の事業の状況を見直してみてはいかかでしょうか。
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