2016.10 経営コンサル事務所ニュース


平凡を非凡にするPDCAサイクル


1.平凡を非凡にするPDCAサイクル
 「PDCA サイクル」は仕事の基本であり、事業経営の基本とも言われ、「 PDCA サイクルが大切」「 PDCA サイクルを回せ」とよく言われます。PDCA サイクルとは、計画(Plan)→実行(Do)→確認(Check)→検討対策(Action)を繰り返し(サイクルを回す)ことであり、事業経営する上で経営管理の鍵になっるため、「マネジメントサイクル」ともいわれます。


 経営コンサルの現場で多くの会社を見てきましたが、 PDCA をきちんと回せているところは多くない。特に中小企業では、大手企業に比べて、 PDCA を回す力が弱いようです。
 強い会社の共通点は、 PDCA サイクルを回す力、決めたことを徹底して実行していることです。PDCA を回す上で鍵になるのが、C(確認)とA(検討対策)です。 PとD は企業規模の大小に関係なく、多くの会社が取り組む。しかしCとAができている会社は多くない。CとAが弱いと、立てた計画はやりっ放し、まかせっ放しで終わる。当初の目標・計画は消えてなくなり、社内にはいつも同じ問題が発生する。そして会社の業績も向上しない。

 CとAを確実に取り組み、 PDCA を回すためには、@経営者・管理職の徹底力と、APDCAを確実に回す仕組みづくりが重要です。経営者、管理職がどれくらいこだわって取り組んだかがポイントです。CとAを確認することは、楽しいことではない。経営者・管理職の徹底意識だけに頼っていては長続きしない。PDCAを確実に回す仕組み、制度を社内に作ることが大切です。

 PDCA にこだわり実行し続ければ、会社は必ず良くなる。強い会社に生まれ変わる。「凡時徹底」とうい言葉があります。「決まった平凡なことでも徹底してやり続ければ非凡になる」という意味です。PDCAを確実に回すことは、決まった計画・目標を確実に実行することであり、会社を確実に前進・発展させる。平凡な会社を非凡な会社に変えます


2.PDCAを回せる会社が生き残る
 以前に経営コンサルで改善支援をしたA社の事例をご紹介します。
 A社は繊維関係のメーカーで、特に平成に入ってからは加速度的に生産拠点が海外に移転し、市場には安価な製品が溢れ、毎年国内マーケットが縮小し、赤字が続いていました。コストダウンに取り組んでも、それ以上に市場が縮小し続けていました。

 A 社にとって最大の命題は、「縮小するマーケットの中で生き残ること、存続すること」です。経営陣は方針検討会を実施しました。今後予測される市場に合わせて、コストダウン対策を織り込んだ事業計画を策定し、具体的な年度方針(年度計画)を立てました。社員にとっても厳しい内容でしたが、それを成し遂げなければ、A社と社員に将来はなく、多くの人が路頭に迷うことになります。

 PDCA サイクルを確実に実行するために、@業績先行管理制度、A方針管理制度(方針検討会と毎月の経営会議の実施)に取り組みました。業績先行管理制度で、業績を予測確認する仕組みを作り。その業績予測に基づいて、経営陣が経営会議で実施状況を確認把握し、計画との差異を埋める対策を検討しました。コンサルは仕組みづくりを支援し、方針検討会と毎回会議に参加して会議のやり方・進め方を指導し、会社の習慣になるまで続けました。また経営会議で決定したことは全社員にも伝え、いまの会社の現状と、自分の会社がどのような取り組みをしているのか、を全ての社員に理解してもらいました(オープン経営)
 このような 取り組みを続けた結果、社員の業績意識やコスト意識、業務意欲が高まりました。市場が縮小し続ける中、多くの同業他社が倒産、廃業しましたが、A 社は今でも存続し、事業を継続しています。

 PDCA を確実に回すことができる会社は、苦境に陥っても強い。しぶとく生き残ことができる。社員の生活を守ることができる。スポーツと同じように事業経営においても「攻め」と「守り」が大切ですが、特に自社の取り巻く状況が悪く、「攻め」手が限られる中では、「守り」に強い会社が生き残る。決めたことを確実に実行する会社、PDCAサイクルを確実に回せる会社が強い

 自社の事業のPDCAサイクルが回っているかどうか、一度確認されてはいかがでしょうか?


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