2017.4 経営コンサル事務所ニュース


報告・連絡・相談を習慣化させる

 永続発展する企業の条件の第12話です。

1.ホウレンソウ(報告・連絡・相談)は「会社の血液」

 経営コンサルという仕事柄、会社の経営者や役員と話をする機会が多い。その際によく聞くのが「指示したことが消えてなくなる」、「うちの会社はホウレンソウが悪い」といった悩みです。ホウレンソウとは、報告・連絡・相談のことです。

 「ホウレンソウは会社の血液」と言われますが、ホウレンソウがしっかり出来ている会社や職場を見ると、総じて、会社の業績も良いようです。職場内の情報が共有され、コミュニケーションが活発です。また社員同志が協力して働こうとする意識(協働意識)が高く、チームワークがよく、お互いに仕事をカバーし合っているため、ミスが少なく、生産性が高い。
 ホウレンソウが悪いといわれる状況を見ると、報告をする部下側の問題だけでなく、指示を出す上司側にも問題がある場合も多いようです。

 ホウレンソウと、上司と部下のPDCAサイクルの関係を見ると、それがよく理解できます。



 上司の仕事(Plan)の一部が、部下に指示として割り振られ、それが部下が取り組む仕事になります。上司の指示が、部下にとっての計画(Plan)であり仕事のスタートになります。部下がその計画(指示)に基づき仕事に取り組み、仕事をします。そしてその結果を上司に報告します。報告が終わって、部下のPDCAサイクルが完結し、上司のPDCAサクルも完結します。
 報告がなされなければ、上司・部下ともPDCAサイクル(仕事)が完結しません。部下の報告の元をたどると、それは上司からの指示・命令が始まりです。上司の指示の出し方やフォローが悪ければ、当然。部下の報告のやり方も悪くります。


2.報告を習慣化させるためには

 指示をだす場合に特に重要なことは、@誰が、A何を、Bいつまでに、Cどのような理由での4つです。上司が部下に指示を出すときに、@誰に、A何を、Bいつまでに、やってもらうかの指示はするのですが、Cどのような理由・目的で、仕事をやってもらうのかを忘れがちです。

 「誰が」とは担当者であり、「何を」とは仕事の内容であり、「いつまでに」とは期限です。いつまでに仕事を完了し、いつまでに報告をしてもらうのか、ということです。さらに「どのような理由・目的で」この仕事をやってもらうのか、仕事全体のどの部分をやってもらい、どのような意味・目的があるのかを伝えることが重要です。

 仕事の理由や目的、重要性を理解しないで行う業務は、仕事ではなく作業です。

 その仕事に取り組む理由や目的を部下に理解させれば、部下は仕事全体の流れを理解し、自らその意味を考えながら主体的に仕事に取り組みことができ、仕事への意欲もあがります。また目的をよく理解していれば、時には応用を効かして、上司が考える以上に良い仕事をする場合もあります。

 上司の指示と部下の報告は、まさに仕事の始めであり、仕事の締めくくりです。上司がいつもPDCAサイクルを踏まえた仕事をし、部下に指示を出し報告を求めれば、報告は部下の習慣になります。
 
 部下に報告を求める前に、部下が当事者意識を持って仕事のPDCAサイクルを主体的に回せるような指示を出しているだろうか、今一度、振り返ってみてはどうでしょうか。
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