2017.6 経営コンサル事務所ニュース


経営方針(計画)を確実に継続実行するポイント

 永続発展する企業の条件の第14話です。

 仕事柄、経営方針書を見たり、経営方針発表会に出る機会が多くあります。その時に、「こんなに沢山の計画ができるのだろうか」「このような内容で本当に継続できるのだろうか」と感じることがあります。会社を良くしたいという気持ちから多くのことを計画するのはよく理解できます。しかし事業では一度に多くのことができるものではありません。今回は、方針や計画を確実に実行するためのポイントについてお話します。これは、会社だけではなくて個人でも同じことが言えます。

(1)重点・集中(Deep & Focus)

 計画を作る際は優先順位付けをすることが大切です。やることを絞込み、重点をつけることです。限られた人、予算、時間の中で新たなことを確実に実行するためには絞り込むことが大切です。「あれも、これも」で、多くの計画を作っても計画倒れに終わってしまいます。「あれか、これか」思考で、本当に重要なものを選ぶことです。大きな果実を得るには、摘心をして、選んだものを大きな果実に育てることと同じです。

 特に中小企業では、目の前の日常業務に追われ、重要な方針の優先順位が下がってきます。重要なことが後回しにされ、結局、何も実行されず、問題を抱えた日々が繰り返されていく。「短期が長期を駆逐する」限られた時間の中で確実にやり遂げるためには、重点を絞り込む込むこと。そして、その重要なことに意識や力を集中することが大切です。


(2)明確で具体的な実行計画を作る(SMART)

 計画を確実に実行するためには、その掲げた計画が明確で、具体的であることが大切です。
その時に参考になる考え方が、スマート(SMART)です。

 Specific(具体的に)      = 具体的で、わかりやすい表現で書く。
 Measurable(測定可能な)= 測定可能な数字など、定量化して表す。
 Achievable(達成可能な) = 達成可能な現実的な内容かどうか確認する。
 Result-based(結果ベース)= 計画は何を成し遂げるためなのか?「結果」を意識して書く。
 Time-bound(期限)     = いつまでに計画を達成するか、その期限を明確にする。


(3)振り返りの仕組化・習慣化(Systematization)

 計画を確実に実行継続するには、計画段階から実行状況を振り返る仕組みを組み込んでおくことです。そして、それを組織の習慣にすることです。

 年度初めに方針発表会を行う会社は多い。全社員への発表と共に大事なことは、その方針を振り返る仕組みを作ることです。具体的には、四半期ごと(或いは半期に1回)の方針進捗検討会と、毎月の経営会議です。会議は必ず方針書に基づいて運営を行い、その中で進捗状況を確認します。そして反省・対策を立てていく。それらを行うと、常に方針が意識され、経営のPDCAサイクルが回ります。それらを繰り返すことで、実行の振り返りが組織の習慣になります。

 そのような流れを最初の方針策定段階からきちんと決めて、仕組化しておきます。仕組化されなければ、そのつどトップや上司が個別に確認し、対応することになります。そうなると、手に負えなくなり、結局、方針は継続されず消えてなくなる。振り返りを仕組化すれば、PDCAサイクルを確実に、そして楽に回すことができます

 経営方針・計画が予定通り実行されているかどうか、一度、振り返ってみてはいかがでしょうか?

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