経営方針(計画)を策定する際の考え方のポイント |
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永続発展する企業の条件の第15話です。 先月号では、決めた方針を確実に実行するポイントについてお話をしました。今回は、方針を策定する際の考え方のポイントについてお話します。 経営方針(戦略)は会社の最重要課題を解決するための基本となる計画であり、今後会社が成長・改善し、より良くなるための最も大切な計画です。では、どうすれば間違えることなく、正しい判断・決断をして計画(戦略、方針)が作れるのか。 方針(戦略)をつくる上で最も大切なことは、会社の置かれた現状を正しく、自ら認識することです。 (1)事実をあるがままに把握する 人は物事を見ているとき、自分の価値感や思い込み、嗜好に基づいて見がちである。知らず知らずのうちに色メガネで見ている。正しい判断をするためには、意識して「理解すること」と「判断すること」を分けることです。「まず素直にあるがままに現状(事実)を把握し、その後に判断する」ことが重要です。事実の中に必ず改善の答えがあります。 (2)全社的視点で問題を把握し、根本原因を見つける 「問題のない会社はない」と言われるように、会社は常に様々な問題を抱えている。いろいろ問題があっても、その根本となる原因、根っこはそんなに多くない。有名なパレートの法則(80:20の法則)があります。多くの問題の大部分(80%)は、そのうちの一部の問題(20%)が生み出している。重要な根本原因となっている問題を見つけ、それを改善することです。 そのためには、まずは全社的な視点(様々な広い視点)から会社の問題を捉えることです。 例えば登山をする場合を考えてみるとわかりやすい。山や気象状況など、まず山を取り巻く全体から考え、どのルートが最も登りやすいか、休憩はどこでとるかとか、などの登頂プランを計画する。いくら体力に自信があっても闇雲に道を突き進んでは遭難してしまう。全体を視野に入れた計画(戦略)がなければ、自分が迷ったことすら気づかない。常に全体から会社の問題を把握し、根本要因を見つけることが大切です。 (3)正しい会社の現状認識に基づき、方針(戦略)・ビジョンを自ら策定する 創業経営者の中には優れた勘を持った人が多い。A社は時代の流れとともに創業者が一代で、事業を拡大させてきました。その背景には創業者の優れた勘とバイタリティーがありました。しかし市場が低迷し、ライバルとの競争が激しなり、また社員数が増え組織が大きくなるとともに、経営者の勘に頼った経営ではうまくいかなくなってきました。業績は低迷し、社内には様々な問題点が発生していました。しかし社員はこれまでのように社長に任せておば大丈夫と思っていました。このような状況下での経営支援であった。 経営コンサルで、最初にしたことは会社の現状を自分たちで正しく把握することです。経営者だけでなく、管理職(将来の経営幹部)を集め、コンサルがファシリテーターとなって会社の現状認識に取り組みました。自分たちで自社の現状を正しく把握し、将来ビジョンと経営方針を策定することに取り組みました。そのような取り組みの結果、経営者の勘に頼ったワンマン経営から社員が自ら考えて計画し、その計画に基づき事業運営する組織経営へと変わりました。加えて、その時取り組んだ管理職たちが、会社の支える経営幹部へと成長しました。 会社の取り巻く現状を正しく把握する取り組みをされてみてはいかがでしょうか? |
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