2017.10 経営コンサル事務所ニュース



 永続発展する企業の条件の第18話です。

  前号では、「経営管理システムとして目標管理」を効果的に活用するには、組織の目標と個人の目標を統一すること、意欲・自主性の発揮が大切であることを説明しました。

 今回は、「目標設定への参画」についてお話します。


1.目標設定への参画による「積極的かかわり」

 目標を達成するためには、それが上から与えられたものでも、自分で設定したものでも、目標の達成へ向けて積極的にかかわり、努力を維持することが必要になります。外からどのように魅力ある目標に見えてもその目標への「積極的かかわり」が低ければ成果は期待できません。

 人は、他人から言われたことを言われた通りにやるよりは、決定時に自分の意見や考えが反映され、自分の裁量で進めることができれば、仕事への意欲が高まり、自主性が発揮されます。それは、目標設定に自らが参画することで目標に対する理解が高まり、目標を受け入れやすくなり、その達成に積極的にかかわろうとする気持ちが高まるからです。「自分の目標」として積極的にその達成を目指し、多少の状況変化に際しても臨機応変に対処することが可能となります。
 目標設定の場に社員が当事者として参加することは、決定された目標への「積極的かかわり」を高め、生産性を高める上で有効な手段です。「参画」は上からの一方的な押し付けや威圧感を取り除き、目標決定が自分たちでなされたものであるという意識を高めるため、その決定を「自分の目標」として受け入れやすくなります。さらに目標達成に当たって、自己裁量の範囲も明確に自覚されます。

 また「参画」によって得られる最も大きな効果は、仕事への満足感が高まることと、会社に対する社員の信頼感が醸成されることです。


2.目標設定への参画の留意点

 目標設定への参画の効果を活かすためには、留意する点があります。

 @ 仕事を実行する者がその仕事についてある程度の知識を持っていること
 A 形だけの参加ではなく、上司と部下がお互いに十分に時間をかけて検討し話し合うこと
 B 本人の努力が結果に反映されること

 創意工夫や自己裁量の余地のない仕事や、努力をしても結果がフィードバックされない状況では、努力した仕事の自己評価や成果を実感することができないため、参画による効果は期待できません。


3.目標設定への参画の事例

 機械メーカーのA社は、社員からの提案やアイデアを積極的に出させ、それを会社の業績改善や生産性の向上に結びつけ、停滞している現状から脱却したいと考えていました。
 そこで、コンサルの指導のもと、自分たちで自社の現状分析と将来の改善の方向を検討し、目標を設定することに取り組みました。役員等の上位階層からスタートし下位の若手・新人階層まで、全ての階層で取り組みました。その中で作成した改善の方向が、自らが達成すべき目標になりました。



 つまり、全ての人が目標設定に参画し、自分自身で目標を策定しました。そのような取り組みにより、会社(上位)の目標が下位の目標へと展開され、組織と個人の目標が統一されて「目標の連鎖」ができました。

 また自ら参画して自分たちの現状を分析・理解することで、設定された目標の重要性やその理解が深まり、「自分の目標」として目標達成に積極的にかかわろうとする気持ちが高まりました
 その後、社員から様々な意見や目標提案がなされ、それが生産性の向上や業務の改善、効率化に結びつきました。


 設定された目標が「自分の目標」として社員に受け入れられ、積極的にかかわるものになっているだろうか?
 一度、自社の状況を見直してみてはいかがでしょうか。


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