2017.12 経営コンサル事務所ニュース



 永続発展する企業の条件の第19話です。

 前号までは目標の作り方について説明しました。今回は、設定された目標の達成と、その時の上司の関わり方についてお話します。

1.セルフコントロールによる「プロセス管理」(セルフチェック)

 目標を作ったからといって、その後の目標が達成ができるわけではありません。目標を作った後も実行する段階で様々なことが起こります。時には環境変化によって目標自体が消滅しまうこともあります。また進めたが全く効果がなく、他の計画へ変更を余儀なくされることもあります。このように目標達成の過程には様々な事態が生じます。

 目標を達成するためには、状況に合わせて自らが自主的にPDCAサイクルを回すことが大切です。そのためには、セルフコントロール(自己統制力)による「プロセス管理」が必要です。途中で立ち止まって、今までの進み具合を確かめ、実施状況と目標を振り返ります。そして、これから先の計画ややり方を見直します。セルフチェックで目標と実行状況の確認と対策を考えます、つまり自らPDCAサイクルを回すことです。



 しかし、本人に任せてそのような「プロセス管理」が自分でできればいいのですが、できる人は多くありません。

 そこで、日頃から目標そのものを意識させる仕組みが必要になります。自分が求める求めないにかかわらず自然に目標そのものを意識させる工夫が大切です。例えば、手帳を活用するのも一つです。わたしは部下がついた時、まず最初に手帳を活用した仕事の自己管理の方法を教えます。自分の目標と部門(会社)の目標を記入(縮小コピー)し、定期的に自分で振り返るように指導しています。さらに、部下本人が自分でできるようになるまで、1週間に1回、月に1回などの期間で振り返るタイミングを設定して、定期的にセルフチェックの時間を設けるなどが有効です。


2.上司の支援・関わり方

 目標が作られると「やっと目標ができあがった」と安心して達成の努力にまで至らない部下もいます。また、期末近くの評価の間際になって慌てて活動を始める部下も多い。そのような状況では本人のためにもならないし、設定された目標の達成も難しい。

 目標達成に向けて、いかに部下の自主性、自律性を維持・発揮させていくかが、上司の指導管理のポイントです。そのためには、部下と上司がお互いに目標達成に向けて、適切に関わって、支援することが大切です。

 上司が手を掛けすぎ、重箱のスミをつくような過度に管理するようであれば「過剰管理」になり、部下の自主性、自律性が阻害されてしまいます。一方、余りに手を掛けないでいるようでは、「放任管理」になってしまいます。セルフチェックはできる限り本人の自主性、自律性を発揮させるために、上司が部下と適切な距離を置き、部下本人の特性に合わせて、支援する期間を設定することが重要です。例えば、新入社員の場合はチェックする頻度を多くする必要があるし、ベテランの場合は期間は長くし、頻度も少なくします。

 「目標管理」は、適切な目標が設定されたからといって達成できるわけではない。その後の環境変化や状況によって達成が難しくなることも多い。だからこそ管理者は部下が自分で目標が達成できるように日々導いていくことが求められます。部下が目標達成に向けて自ら判断し行動できるよう、上司が適切に関わって支援することが大切です。

 「目標管理」を適切に行えば、目標達成の過程を通じて部下の責任意識や自主性が醸成され、意欲が高まり、自ら動く自律した人材へと成長します。人材の成長が、会社の発展につながります


 部下の自主性、自律性を引き出すような目標の設定、支援、関わり方をしてるだろうか?一度振り返ってみてはいかがでしょうか。


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