2018.3 経営コンサル事務所ニュース



 永続発展する企業の条件の第21話です。

 これまで多くの会社の成長を見てきました。中小企業のままの会社、中小企業から中堅企業になり、さらに上場企業にまでなった会社など。最初はどの会社も中小企業です。
 ずっとそこに留まっている会社もあれば、中堅、大手へ大きく成長する会社もあります。両者の違いは、どこあるのだろうか?今回は、その違いについてお話します。


1.重要事項の優先順位を下げない

 この時期、多くの会社が新年度に向けて、経営方針やビジョンの策定に取り組んでいます。それらは、会社の将来の「ありたい姿」であり、会社にとって最重要事項です。しかし、その多くは中長期的な将来に向けての事項で、日常の仕事を処理する事項ではありません。それに取り組んだらといって、今すぐに良くなることでもない。

 仕事をしていると、毎日、多くの処理すべき急ぎの仕事がどんどん目の前に迫ってきます。急ぎの日常業務の処理が続くと、重要なことが後回しにされます。優先順位が下がってきます。つまり、急ぎのこと(緊急性)が重要性よりも優先され、「緊急性>重要性」となります。「短期(緊急性)が長期(重要性)を駆逐する」状況になります。そのような状況の中、1年後に振り返ると、重要項目(方針・計画)が何も実行されていない状況になっています。当然ながら、会社も社員も何も変わらず、発展も成長もしていません。そのようなことを毎回繰り返しても、会社も社員も少しも良くなりません。



 そうならないためには、トップ自らが強い「熱意」を持ち、重要事項への取り組みに強い関心を持つことです。トップ自らが重要事項に熱意を持って取り組まなければ、重要事項の優先順位はどんどん下がってきます。トップが定期的に実行状況を確認し、実行が不十分であればその対策を考え、実行に結びつけることです。そうすれば、会社は確実に良くなり、発展します。


2.継続してやり続ける

 「成功とは成功するまでやり続けることで、失敗とは成功するまでやり続けないことだ」といったのは、松下電器産業(現パナソニック)創業者の松下幸之助です。他の多くの成功者が同様のことを言っています。

 成功するまでには、時間がかかります。経済が成長し市場が拡大している時代であれば、取り組んだ結果もすぐに成果として現れます。しかし現在のように、経済が成熟化した状況の下では、取り組んだことが成功に結びつくまでには時間がかかります。時には、上手くいかず諦めたい気持ちになることもあるでしょう。しかし成功するためには、決めたこと(重要事項)を継続して、やり続けることが大切になります。トップが「こだわり」を持って、ひつこく取り組み続けなければ、成功に結びつきません。


3.トップの熱意とこだわり

 結局、成長する会社と停滞する会社との違いは、重要事項の優先順位を常に高め、継続して取り組んでいるか、いないかの違いです。つまり、それはトップの事業に対する姿勢・態度の違いであり、「何としてもこれをやり遂げよう」、「会社と社員を良くしたい」、「このような姿の会社にしたい」と願う、トップの溢れんばかりの強い「熱意とこだわり」の違いであるとも言えます。

 事業に対する強い「熱意とこだわり」を持ち続けているだろうか?今一度振り返ってみてはいかがでしょうか?



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