2018.4 経営コンサル事務所ニュース



 永続発展する企業の条件の第22話です。

 会社が成長し続けるためには、乗り越えるべき壁があります。トップの力に頼ったワンマン経営から「組織経営への脱却」もその一つです。今回は、「組織経営」についてお話をします。


1.「組織経営」への脱却

  会社が大きく成長していくためには、ワンマン経営から組織による事業運営、「組織経営」への脱却が不可欠です。ワンマン経営を残したいのであれば、小規模な経営にしておくことです。小企業から成長して、人が増えて規模の大きな企業になれば、トップ1人で事業をコントロールすることはできない。トップ1人ではどうにもならなくなる。どうしても組織の力を借りなくてはならない。トップの背負っている役割責任を誰かに分担させること、経営に参画させることです。
 「組織経営」とは参画の経営であり、参画する社員の意識を高めて能力を活用することです。会議でトップが独演会をやっているようでは、組織経営はできない。独断先行でトップが動物的直感で行動する姿は素晴らしいものがあります。しかし、それでは社員の参画意識は高まらない。


2.「組織経営は、人に任せる経営であり、参画の経営である」

 中小企業の経営者からよく聞く話が、「他人に仕事を任せたいが、任せる人材がいないから任せられない」ということです。任せられる人がいない背景には、次のようなことがあります。
 小企業の時は、限られ経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の中で、事業を成功に導くためには、トップ自らが陣頭指揮をとったワンマン経営のスタイルが効果的です。しかし、規模が大きくなるとワンマン経営スタイルの問題点が顕在化してきます。バタバタと一生懸命に社員は働くが、自主性が乏しく、受身的で、指示されたこと以外は自ら判断、行動できない、といったことが起こってくる。会社のあらゆるところに、ワンマン経営の弊害が噴出してきます。

 組織経営にするためには、人に任せることです。任せないから人が育たないのか、人が育ってないから任せないのか。鶏が先か卵が先かということになります。大切なことは、権限を与えて責任を持たせ、やらせてみることです。もちろん最初からうまくいくものではない。我慢が大切です。育つのを待ち、ゆっくりと時間をかけて育てていく。人の育つ土壌をつくれば、その土壌から栄養をとって人は大きく成長していく


3.「会社はトップの器以上に大きくならない」

 他人に仕事を任せることができるのが経営者であり、任せることのできないのは企業家です。「会社はトップの器以上に大きくならない。」 会社を大きく成長させようとするなら、経営者は企業家から経営者へ大きく脱皮することが大切です。トップ1人に依存するワンマン経営の欠点は、トップの苦手とするところが会社の致命的欠陥となることです。会社は弱点で倒れます。ワンマン経営のままでは、存続し続けることはできない。いつまでも企業家にこだわっていると、足元から覆る。

 人に任せる経営、参画の経営を目指して事業経営に携わっているだろうか? 今一度、振り返ってみてはいかがでしょうか。


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