2018.10 経営コンサル事務所ニュース



 永続発展する企業の条件の第26話です。

 多くの中小企業の経営者と話をして、悩んでいることが、決まったこと(目標や計画)が実行されず、消えてなくなり、改善が進まないことです。組織の実行する力が弱いことです。
 今回は、「組織の実行力を高める」方法についてお話をします。



1.トップが原因自分論で取り組む

 決めた計画や目標は重要なものであり、達成すべきものと頭では理解し実行してみるものの、いざ締めてみると、計画が未達に終わっている現実に経営者は悩まされている。
 できない理由を訊ねると、環境が悪かった、商品が良くない、社員の能力が不足だったといったことが聞かれる。それらはすべて原因他人論です。これでは改善は進まないし、現状の悪い状況は堂々めぐりで、そこからは抜け出すこともできない。結果が悪ければ、経営者自身が「原因自分論」で考え、自分の経営のやり方にどこか良くないところはなかったか、と反省し、問題を掴み、合理的に解決を図っていくことが大切です。


2.計画(目標)が未達に終わる背景

 決めた計画(目標)が未達に終わる状況を見てみると、決めたときは重要であると考えてはいるが、実行していく段階で、その優先順位が下がっていくことに原因があります。日常の目の前の業務が優先され、重要な計画(目標)が後回しにされ(緊急性>重要性)、実行されず、結局、重要事項は消えてなくなります
 このような「組織の実行力の格差が、会社の格差」です。いくら優れた計画や戦略を立てても、それが実現されなければ「絵に描いたモチ」で終わります。

 そうならないためには、
@実行にかかわる社員の当事者意識を高めること
A元に戻らない経営の仕組みをつくること
の2つが大切になります。次に、実際に「組織の実行力を高める」取り組みをした事例をご紹介します。


3.「組織の実行力を高める」

 A社は業界の成長ともに会社も成長してきたが、社長は、言ったことや決まったことが実行されない状況に悩み、会社のあらゆる面に問題が続出していました。決めたことが実行されず消えてなくなる、辞める人が多く人が定着しない、人が育たない、社員の不平不満が多い、業績の低迷など。
 社長はこのままでは会社は存続できないという危機感を抱き、相談に来ました。そのような状況での経営支援でした。そこで、「組織の実行力を高める」ために、次のことに取り組みました。

 @計画(目標)の決定プロセスに社員を参画させる。
 APDCAサイクルが必ず回る仕組みを社内に作る。
 B仕組みが消えてなくならないように「組織の習慣」にする。

 計画の決定プロセスに社員を参画させたことで、決まった計画(目標)が他人ごとでなく、自分のことと考える(当事者)意識が高まりました。また、社員を策定プロセスに参画させたことで、計画の重要性や、その内容をよく理解するようになりました。

 次にPDCA サイクルを確実に回す仕組みとして、経営幹部が参加する月2回の「経営会議」を立ち上げました。問題点を議論し、やること(目的、計画)を決め、決めたことが実行されたかどうかを確認しました。決める際には、担当と期限、実行プロセスを明確にし、記録(議事録)に残し、実施状況の確認に活用しました。経営会議の立ち上げによって、需要事項の優先順位が下がったり、消えることがなくなりました。

 2の会議のやり方は、当初はコンサルの指導の下で取り組みました。さらに、コンサルがいなくなった後も自分たちで会議運営が継続して実行でき、それが「組織の習慣になる」ように、コンサルにアドバイスを受けながら2年間自分たちで実施しました。

 そのような取り組みにより、目標・計画が確実に実行される会社になりました。その結果は、業績(売上、利益)向上や人材の能力アップ、採用・定着の改善という形で効果が現れました。トップ自らが、原因は自分の経営のやり方にあると反省し、本気で会社を良くしよう、会社を変えようという熱意が、実を結びました。


 戦略や計画を作ることも重要ですが、それを確実に行動し、実現できる「実行力」がさらに大切です、「組織の実行力の差が、企業の差」です。
 自社の実行力を振り返って、一度確認されてはいかがでしょうか?



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