2019.4 経営コンサル事務所ニュース



 永続発展する企業の条件の第31話です。

 多くの会社が今月から新しい年度を迎え、新たなスタートをした時期だと思います。また来月からは元号が平成から令和に変わります。新たなスタートに当たって、きちんと会社の方向性(経営方針)の策定・浸透ができていない会社も見受けられます。今回は、「経営方針の策定と浸透」についてお話をします。


1.「経営方針」=会社(経営者)の考え方・将来の姿を描くこと

  中小企業の経営状況を見ると、経営の基盤となる「経営方針」がきちんと作られていない会社も見受けられます。また、作られていても行動計画まで落とし込まれていなかったり、夢物語のような方針になっているものも見かけます。会社が健全に成長し続けるかしないかは、トップの問題であり、経営陣のあり方にあります。会社は様々な考え方を持った他人の集まりです。働く社員一人一人の考え方を一本にまとめていくことが大切です。それをまとめていくものが「経営方針」です。
 その経営方針の善し悪しによって、零細企業がトップ企業になったり、倒産企業が成長企業に変わったり、あるいは大手企業が危なくなったりします。経営方針を立てるということは、経営者・経営陣にとって最重要事項です。


 会社は様々な考えを持った人の集まりであり、そのままでは烏合の衆です。一つの方向に向けて人を集めるために大切な点は、「会社(事業)の夢、考え方がどうあるのかを定めること」が大切です。会社の将来をどう描くかが重要になってきます。経営方針は事業に協力する人々に、どこに向かい、どういう考えで仕事に臨むのか、を明らかにしたものです。
 「うちの会社はこのようにしたい」、「5年後はこのような姿にする」と会社の明確な方向が打ち出されると、社員はやる気を出します。「志」を同じくする人々の集まりを「同志」と言いますが、烏合の衆が「同志」になった時、集団は「組織」となり、パワーが最高に発揮される。その「志」を形にしたものが「経営理念・ビジョン・経営方針」です。






2.経営方針が浸透しているとは

  会社がある程度の規模になると、計画を立て「経営方針書」を作成します。しかし、それが本当に全ての社員に浸透しているかどうかは別です。どんなにきれいに整えられた方針書であろうと、また方針が掲示され、朝礼で唱和されようと、それが社員に浸透されていなければ効果はない。絵に描いたモチである。


 経営方針が浸透しているかどうかを表すと、下の図のようになります。矢印の数が社員数で、数字が社員の能力を表しています。左は経営方針が浸透している会社で、右が浸透していない会社です。社員数や社員の能力は右の方が優れている。しかし組織としてのパフォーマンス(推進力)は、方針が浸透している左の組織の方が優れています。





 「一年の計は元旦にあり」と言われますが、会社もスタートするにあたって、最初にきちんとした計画(方針)を定めて取り組むことが大切です。新たな年度のスタートに当たり、自社の経営方針を見直し、その浸透状況を確認してみてはいかがでしょうか?



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