2019.7 経営コンサル事務所ニュース



 永続発展する企業の条件の第33話です。

 会社の経営支援をお手伝いしていると、様々な会社の成長過程を見ることが多い。中小企業から中堅大手企業へと成長する会社、中小企業にずっと留まっている会社など。それらの成長の違いは会社の「実行力」の違いだと見られることが多い。

 また経営改善支援はコンサルとクライアント企業との共同作業ですが、決めたことが確実に実行される会社と、実行されない会社があります。実行される会社は改善がどんどん積み、社員が生き生きと働き、会社が成長発展していく。一方実行されない会社は、できない理由ややらない理由が優先され、決めたことが後回しにされて消えてなくなり、改善が進まず、低迷状態が続きます。『実行力の差が、企業の差』です。



1.実行力の源泉はトップの態度・姿勢「基本動作」

 どのような会社であっても計画や戦略を立てずに経営することはほとんどないでしょう。しかし計画・戦略の実行度となると、企業によって差があります。どんなに優れた計画や戦略を立てても、実行に移さなかったら、それは無に等しく、絵に描いた餅となってしまう。戦略や計画も「実行」次第です。決めたことを確実に実行することが重要です。

 そして、実行されない社風つくっているのがトップです。経営者・役員の普段の態度・姿勢によって社風が形成されます。実行されない会社に共通していることは、トップをはじめ全体に「仕事の基本動作が弱い」ことです。あいさつ、朝礼、指示・命令、会議など。それら基本動作の一つひとつは難しいことではない。新入社員でもできることです。しかし、それらは全ての仕事の基盤を構成しています。

 基本動作をきちんとしないトップの姿勢・行動を社員が見習い、その結果、実行力が乏しく、ケジメのない社風を作っています。「微差が大差を生む」という言葉がありますが、トップがきちんと基本動作を行うと、部下(社員)もきちんと行うようになります。それが習慣化・体質化され、決まったことをやり抜く社風に会社を変えます。



2.PDCAサイクルを確実に回す

 また実行力の乏しい会社に共通していることは、PDCA(Plan-Do-Check-Antion)サイクルが会社の中で回っていないことです。



 どのような会社であっても、計画(P)をつくり、実行(D)はします。重要なことは、実行状況を確認(C)し、次の対策(A)をすること。『CとA』です。それができない原因は、トップ(経営幹部)が積極的に、確認(C)と対策(A)に関与してないことです。PDCAサイクルを回すことは、細かく管理することでもなければ、現場に任せっぱなしにすることでもありません。実行後のCとAにトップが積極的に関わることです。できたかどうかを問いかけ、確認し、できていなければ問題点を共に考え、見つけ、それができるように部下を支援し、鼓舞することです。

 基本動作ができ、PDCAサイクルが回る会社になれば、決まったことが確実に実行され、会社は必ず改善し、前進します。立派な計画書を作っても失敗した会社はあります。逆に、計画書や資金繰表が不十分でも、成功した会社もあります。その違いは、決めたことをやり抜いたかどうかの「実行力の差」です。そして実行力の源泉は、トップの仕事に取り組む普段の態度・行動にあります。
 

 決まったことが実行されないと悩んでいるのであれば、一度、自らの普段の姿勢・行動を振り返ってみてはいかがでしょうか。



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